さてさて、古きを以って新しきを知る。温故知新は知恵の基本。
てなわけで、今回は意味もなく懐かしいギャルゲーソングを聴いてみましょう。
【アテナ、サイコソルジャー、King of Fightersシリーズ】
曲名:サイコソルジャーのテーマ
僕らボンクラどもにとって、まず最初に触れるであろうギャルゲーソングといえばこれしかないでしょう。ファミコンで、アーケードで、そしてKOFで新たに生まれ変わった麻宮アテナで歌いまくったことと存じます。
「アテナ」「サイコソルジャー」とは80年代はおたく文化の爛熟期、ありとあらゆる性欲たくましい思春期ボーイ達に「戦うおねえさん=ビキニ鎧」という認識を植え付けた驚異的ゲームであります。
ビキニ鎧に兜+鈍器という、ちょっとネジの外れたバトルスーツに身を包むアテナさんは永遠の女神であり狂気。「ファイアー、ファイアー」と空虚な叫び声をあげるこの曲は、ギャルゲー黎明期を彩るに相応しい存在といえましょう。
【タイムギャル】
曲名:時空をこえて
歌手:山本百合子
80年代ゲームバブルとビキニブームはそらもう恐ろしいゲームを生み出していたようです。
もはやご存知ではない方もいらっしゃるとは思いますが、レーザーディスクゲームというものがかつてアーケードに存在していたのですよ。レーザーディスクを媒体とした、美しいアニメが売りの、もはやゲームなんだかアニメなんだかわからないゲームバブルここに極まれりと言ってもいいくらいの最高な企画です。
タイムマシンを強奪した悪党を追って、時間警察の「タイムギャル」レイカが壮大な時間を旅するというゲームです。
この歌はアーケードからメガCD(SEGAのメガドライブにCD-ROMドライブを付属したハード)に移植された際製作されたもの。
爽快なメロディーをグイグイ持ち上げるアッパーなホーンがゲームのイケイケ具合を示しているようで素敵ですね。
そしてやはりビキニ。この時代のヒロインはビキニであらなければならないという鉄の掟でもあったんでしょうか。
【ワンダーモモ】
曲名:ワンダーモモ
歌手:TAKA&まさごろ
戦うヒロインといえば、もちろん「ワンダーモモ」ですよね!
甘いロリポップな曲調で始まり、「変身!」の掛け声と共に無理矢理サンライズロボットアニメ風なハードロックへと変貌するパロディ感覚満載の楽しい曲です。このころのおたく消費者、作り手がどのような精神構造を持っていたかよくわかる曲ですよね。
奇妙に思えるほどの壮大で感動的なコーラスで占められるラストは悪意なのかそれともマジなのか。
この辺りに80年代の深遠さを感じてしまいます。
そして何故当たり前のようにカバーしてるんだ、モモーイ!
ハードロックパートのボーカルチェンジも完璧だぜ、モモーイ!
やっぱモモーイは最高ですよねー。
戦うヒロインにいささか疲れたので、気分転換としてアイドルに行きましょう。アイドル=僕らの清涼剤。永遠に愛でたい少女の象徴。
アイドルをモチーフにしたギャルゲーは数限りなく作られ、未だなお廃れることなく続いております。
さて、20年前のアイドルモチーフゲームはどのような歌を僕達に聴かせてくれていたのでしょうか。
わあ、歌ってない!
ファミコンなんだから当たり前なんですが。
メロディーはとてもポップ、ファミコン独特の荒さやビブラートを利かせたメインの旋律は決して古びてはいません。
これからも残り続けるチップチューンの名曲といえるでしょう……が。
何故タイトルが「ホエホエむすめ」なのか。しかも歌詞は意味性というものが完全に崩壊しており、記号的なものを連ねただけの驚異的な世界観を僕たちの前に提示しています。非常にシティ的な感覚を持つ楽曲と、アナーキーな歌詞は現在で言う電波ソングの直接的な系列を刻んでいるのはいまさら言う事でもないでしょう。
当然のようにモモーイが「すべてはファミコンのために。」でカバーしております。こちらも必聴。
さらにはChibi-Techというアメリカのナードコアミュージシャンが、ファミコンの内蔵音源で作り出した合成音声によって歌わせるという凄まじいカバーも存在しています。
ファミコンの中で歌い踊る独自すぎる独自性を抱え込んだが故に、彼女は永遠となって僕らと共に生き続けるのです。
ギャルゲーソングのひとつの潮流、電波ソングとはどのような音楽の影響を受けて誕生したのかが気になります。曲調で言えばエレクトロクラッシュとかガバ/ナードコアにかかってくるのかもしれませんが、日本の音楽でより源流を辿れるものはないか。コミックソングや70年代末〜80年代半ばまでの(広義の意味での)テクノ歌謡がおそらくは多くあげられるでしょう。ですが、個人的に浮かんだのはそこからやや離れた位置にあるシーンでした。
80年代、日本インディーズの一世を風靡したレーベル「トランスレコード」に名を連ねたYBO2などのバンドから電波ソングの一端を垣間見ることは出来まいか。今回提示させてもらった「YBO2(わいびーおーつー)/ドグラマグラ」が典型的な例に思えます。
高密度に圧縮された猛烈な演奏、夢野久作「ドグラマグラ」を引用した奇怪な歌詞、そして生半可な覚悟では乗ることの出来ない異様なテンションの高さは電波ソングとの共通性を感じさせます。
資料を漁ればモモーイかMOSAIC.WAVあたりの言質をとることが出来るかもしれませんね。
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